鼠径ヘルニア専門医の資格はありますか？外科医の専門性とは？

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鼠径ヘルニア専門医の資格はありますか？

院長松下

外科専門医の資格にはいくつか種類があり、鼠径ヘルニアにも資格があります。ヘルニア外科医が外科医の専門性について詳しく解説します。

鼠径ヘルニア専門医の資格はありますか？

鼠径ヘルニアには専門医の資格があります。
日本ヘルニア学会が認定する鼠径部ヘルニア修得医という資格で、鼠径部ヘルニア診療に関する一定の知識と手術経験を持つことを認定する資格です。

この認定制度は、鼠径部ヘルニアの診療レベル向上を目的として、2024年度から開始された新しい資格です。
ただし認定される条件は、鼠径部ヘルニアの執刀経験が25例以上と少ない印象です。
教育セミナーを受講し、ヘルニアに関する学会発表の経験も必須です。

鼠径部ヘルニア修得医を取得すると、鼠径ヘルニア手術を執刀する基礎が身についたと言えます。

外科専門医とは？

外科医であれば最初に取得を目指す資格が、外科専門医です。

医師免許を取得後、2年間の初期臨床研修を修了することで、保険医として保険診療をすることが可能になります。

その後、日本外科学会が定める専門研修プログラムに沿って、3年間の専門研修を行います。
この期間中に、外科診療に必要な基礎知識、検査、処置、手技を習得し、350件以上の手術経験を積みます。
所定の研修期間と手術経験、学術活動、学会参加などの要件を満たし、筆記試験に合格することで、外科専門医を取得できます。
最短で卒後6年目に取得可能です。

外科専門医を取得すると、外科医としての基礎が身についたと言えます。

消化器外科専門医とは？

外科専門医を取得した後に、消化器外科専門医の資格取得を目指します。

外科専門医を取得後に、日本消化器外科学会が定めるカリキュラムに従い、消化器疾患・消化器外科・消化器がんなどの診断や手術の経験を積みます。
具体的には、300件以上の消化器外科手術（高難度手術を含む）の執刀経験が必要です。
また、論文や学会発表といった学術業績も求められます。
筆記試験に合格することで、消化器外科専門医となります。
最短で卒後8年目に取得可能です。

消化器外科専門医を取得すると、外科医として一人前になったと言えます。

内視鏡外科技術認定医とは？

消化器外科専門医を取得した後は、指導医としての力量が求められるようになります。
更に専門分野を極める一つとして、内視鏡外科技術認定医の取得があります。

内視鏡外科技術認定医とは、内視鏡外科手術（腹腔鏡手術）を安全かつ適切に施行する技術があり、かつ指導する技量があることを認定する資格制度です。
手術の実績、学術的な業績に加え、実際の手術動画も審査されます。
それだけに最難関の資格で、経験豊富な外科医が挑んでいるにも関わらず、合格率は30%程度です。

内視鏡外科技術認定医を取得すると、内視鏡外科手術を指導する立場になったと言えます。
その後は学会評議員として学術的に活躍したり、指導者として病院で中心的な役割を担うことになります。

日本の医師や専門医の人数

ヘルニアの内視鏡外科技術認定医は、日本全国に185名、埼玉県内に4名（2025年6月現在）です。

• 医師：343,275名（2022年12月現在）
• 外科専門医：22,457名（2025年6月現在）
• 消化器外科専門医：9,419名（2025年6月現在）
• 内視鏡外科技術認定医：消化器外科3,722名（2025年6月現在）

2023.03.31

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実際の手術件数や業績

上記の専門医資格に加えて重要なのが、実際の手術件数や業績です。
多くの手術を経験することで、得られるノウハウがあります。
手術は技術職なので、どうしても経験がものをいう側面があります。

また、学会発表や論文などの業績も重要です。
通常、自分が研究している専門分野について発表しますので、その内容をみればその医師の専門性がわかります。

どちらか一方だけでは偏ってしまうので、臨床と研究のバランスが大切だと思っています。
医師の視点で外科医を見る時は、これらの要素を総合して評価します。

2025.01.01

院長紹介

院長 松下 公治（まつした こうじ）ヘルニア外科医として、日本ヘルニア学会評議員、日本内視鏡外科学会評議員、埼玉ヘルニア研究会世話人、東京ヘルニアアカデミー世話人を務めると共に、腹腔鏡ヘルニアセンター長、特任院長、鼠径ヘルニア統括医師などを歴任しました。 外科チームの鼠径ヘルニア診療の...

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