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鼠径ヘルニアの院長コラム

鼠径ヘルニアにおすすめの手術方法は?【私の手術へのこだわり】

鼠径ヘルニアの手術方法はどれがいいのでしょうか?
鼠径ヘルニアは多くの術式があり、どれがいいか選ぶのはとても難しいです。
ヘルニア外科医の松下が、鼠径ヘルニアの手術方法をわかりやすく解説します。

鼠径ヘルニア(脱腸)におすすめの手術方法とは?

鼠径ヘルニア(脱腸)には様々な手術方法があり、どの方法を選ぶか悩んでいる方が多いです。
受診する病院や外科医によって、どの方法を選ぶかも千差万別です。
ヘルニア外科医として、私がおすすめするのは日帰り腹腔鏡手術です。

1. 鼠径ヘルニア(脱腸)の腹腔鏡手術とは?

鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術とは、腹腔鏡を使って、ヘルニアの穴をメッシュで塞ぐ手術方法です。
少ない侵襲で手術ができるものの、専門的な技術が必要なので、経験豊富な外科医が行うことが望ましいです。

国際的なガイドライン・日本のガイドラインのいずれも、腹腔鏡手術を推奨しています。
TAPP法とTEP法があり、同等に推奨されています。

腹腔鏡手術の特徴は?

  • 利点:傷が小さい、痛みが軽い、回復が早い、早期社会復帰できる、同じ傷で両側手術できる
  • 欠点:高額な機器を揃える必要がある、外科医の手術習得に時間がかかる

腹腔鏡手術の種類は?

ヘルニア門(穴)への到達方法によって、2種類の手術方法があり、どちらも穴の裏面にメッシュを敷きます。

  • TAPP法(タップ法): 腹腔内(お腹の中)から穴を直接観察して塞ぐ方法
  • TEP法(テップ法): 腹膜を切らないため、縫合する必要がない方法

腹腔鏡手術(TAPP法)による手術の手順

当院では全身麻酔下に、TAPP法という腹腔鏡手術を行っています。
まずお腹に3カ所5mmの小さな穴を開けます。
そこから5mmのカメラをお腹の中に入れて、お腹の中の様子をモニターに映し出しながら手術します。
ヘルニアの穴を確認し、メッシュを入れるスペースを剥離し、メッシュを敷いて穴を塞ぎ、最後に腹膜を縫合します。
実際の手術動画はこちら(YouTube)

2. 鼠径ヘルニア(脱腸)の鼠径部切開法とは?

鼠径ヘルニアの鼠径部切開法とは、お腹を約3-5cm切って、ヘルニアの穴をメッシュで塞ぐ手術方法です。
国際的なガイドラインでは、リヒテンシュタイン法を推奨し、他の鼠径部切開法は推奨していません。
日本のガイドラインでは手術方法で成績に大きな差はないとし、術者が習熟した手術方法を推奨しています。

鼠径部切開法の特徴は?

  • 利点:手術時間が短い、外科医の手術習得が早い、様々な麻酔方法で手術ができる
  • 欠点:傷が大きい、痛みがやや強い、回復に少し時間がかかる

鼠径部切開法の種類は?

​ヘルニア門(穴)への到達方法やメッシュの敷き方によって、様々な手術方法があります。

  • Lichtenstein法(リヒテンシュタイン法): 穴の表面にメッシュを敷きます
  • Plug法(プラグ法): プラグメッシュで穴を塞ぎ、穴の表面にもメッシュを敷き、計2枚のメッシュを使います
  • PHS法、UHS法: 穴の表面と裏面に二重にしてメッシュを敷きます
  • Direct Kugel法(ダイレクトクーゲル法): 鼠径管を開いて、穴の裏面にメッシュを敷きます
  • Kugel法(クーゲル法): 鼠径管を開かずに、穴の裏面にメッシュを敷きます

鼠径ヘルニア(脱腸)手術方法の比較

腹腔鏡手術と鼠径部切開法に分けて比較しました。

腹腔鏡手術鼠径部切開法
傷口5mmの
穴が3ヶ所
約3-5cm
痛み軽い痛い
手術時間約40〜60分約30〜60分
入院期間短いやや長い
退院後の復帰早いやや遅い
日本の
ガイドライン
推奨術者が習熟した
手術方法を推奨
国際的な
ガイドライン
推奨リヒテンシュタイン法
のみ推奨

※組織縫合法といって、お腹を約4-5cm切って、糸で縫い合わせてヘルニアの穴を閉じる手術方法があります。メッシュが無かった時代には標準手術でしたが、痛みが強く、回復に時間がかかり、再発が多いため、ほとんど行われていません。Marcy法(マーシー法)、Shouldice法(ショルダイス法)、Bassini法(バッシーニ法)、McVay法(マックベイ法)などがあります。

鼠径ヘルニア(脱腸)に腹腔鏡手術が選ばれる理由とは?

鼠径ヘルニアの治療で、腹腔鏡手術が選ばれる理由は何でしょうか?
1つ目に、日本だけでなく、国際的なガイドラインにおいて推奨されている術式です。
ガイドラインで推奨されるためには、十分なデータが必要ですので、信頼できる術式であると言えます。
2つ目に、何より手術を受けた患者さんから感想を伺うと、満足度が高いことです。
腹腔鏡手術は傷が小さく、痛みが少なく、回復が早く、社会復帰が早いため、日帰り手術との組み合わせは理想的です。
少しでも快適に苦痛なく手術を受けたいという患者さんのニーズに合っていると感じています。
病気を治すことは大切ですが、同時に、体の負担を最小限にすることも大切だと思います。

様々な術式を実際に執刀してきた結果、私は腹腔鏡手術(TAPP法)に辿り着きました。

自費診療で鼠径ヘルニアのロボット手術を受けることができますが、私はおすすめしていません。鼠径ヘルニアでは、メリットよりもデメリットが多いからです。外科医の教育には有用かもしれませんが、時間がかかり、コストは高く、傷は大きくなり、(現時点では)入院が必要です。

当院の鼠径ヘルニア(脱腸)手術(TAPP法)へのこだわり

内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)である院長松下が執刀します。
鼠径ヘルニアの手術方法は、TAPP法という腹腔鏡手術を行っています。
TAPP法は、鼠径ヘルニアの診断能に優れ、鼠径ヘルニアの多彩な病態に対応できる手術方法で、傷が小さいので、患者さんにとって術後の辛さが少ないのが特徴です。
より質の高い手術を目指して、身体的にも社会的にも負担が少ない低侵襲手術を追究し、日々改良を重ねています。

当院の鼠径ヘルニア手術の特徴

  • 豊富な経験を元に、的確に診断します。
  • 腹腔鏡の3か所の穴を各々5mmと最小限にし、術後の痛みを軽減しています。
  • 局所麻酔薬を使って神経ブロックを行い、術後の痛みを軽減しています。
  • メッシュの固定に固定具(タッカー)を使用しないことで、術後の痛みを軽減しています。
  • 15cm×10cmの大きなメッシュを体型に合わせてトリミングして敷くことで、しっかりと補強し、再発を減らしています。
  • 層を意識した剥離を行い、正常組織の損傷を減らし、出血はほとんどありません(抗血栓薬は中止していません)。
  • 麻酔による侵襲を軽減するため、使用する薬剤を工夫し、不要な管(尿道の管など)は留置していません。
  • 日帰り手術を行うことで、社会的負担を軽減し、医療の効率化を図っています。
  • 身体への負担を減らすことで、早期社会復帰を目指しています。
  • 腹腔鏡手術が適さないケースでは、鼠径部切開法(リヒテンシュタイン法)を行い、個々の病状に最適な手術を提案します。
  • 日帰り手術が適さない場合は、患者さんの利益を最優先し、入院できる病院に紹介します。
松下 公治

松下 公治

この記事は院長松下が執筆しました。鼠径ヘルニア・虫垂炎の【日帰り】腹腔鏡手術を専門に研究。外科専門医、消化器外科専門医・指導医、内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)。

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