大腿ヘルニアとはどんな病気でしょうか?
女性の鼠径ヘルニアを診療していると、時々大腿ヘルニアのことがあります。
ヘルニア外科医の松下が、大腿ヘルニアについてわかりやすく解説します。
女性に多い大腿ヘルニアとは?
大腿(だいたい)ヘルニアとは、大腿部(足の付け根)のお腹の壁が弱くなり、そこから腸がぽっこり出てくる病気のことです。
女性に多く(男性の約4倍)、嵌頓するリスクが高いヘルニアです。
放っておくと大きくなったり、痛みが強くなることがあります。
大腿ヘルニアの原因は?
大腿ヘルニアの原因は、加齢や妊娠や出産による腹圧の上昇、肥満、慢性的な便秘などが一因です。
大腿ヘルニアの症状は?
立ち上がったりお腹に力を入れると、大腿部がぽっこり膨らみます。
鼠径ヘルニアよりやや下側(尾側)が膨らみ、大きさはピンポン球より小さいことが多いです。
大腿ヘルニアは戻しにくいので、しこりとして自覚することも多いです。
重い感じや鈍い不快感、痛みを伴うこともあります。
大腿ヘルニアの治療法は?
大腿ヘルニアは、自然治癒することはなく、嵌頓することが多いため、手術が勧められます。
大腿ヘルニアの治療法は、手術以外にはなく、脱出した腸管をお腹の中に戻し、メッシュを敷いてヘルニアの穴を塞ぎます。
大腿ヘルニアは日帰り手術で治せますか?
大腿ヘルニアは日帰り腹腔鏡手術で治療できます。
腹腔鏡手術は傷が小さく、痛みが少なく、社会復帰が早いため、日帰り手術との組み合わせは理想的です。
個人差がありますが、術後1-2時間程度で帰宅できます。

2023.01.01
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