鼠径ヘルニア(脱腸)を放置する危険性とは?
もし鼠径ヘルニア(脱腸)の手術をしないで放置すると、腸が嵌頓(かんとん)する危険性があるので、注意が必要です。
鼠径ヘルニア(脱腸)の嵌頓とは?
嵌頓とは、腸が腹壁から脱出して、締めつけられたまま戻らなくなった状態です。
太もものつけ根の膨らみが硬くなり、横になっても手で押しても戻らなくなります。
鼠径部の痛み、腹部膨満、吐き気や嘔吐、腹痛など様々な症状が出現します。
腸閉塞、腸管壊死、腸管穿孔を起こし命に関わるので、一刻も早く受診し、緊急手術が検討されます。
嵌頓の緊急手術は死亡リスクが高い(死亡率は4.0~5.8%)だけでなく、開腹手術になる可能性が高くなります。
嵌頓するリスクは1年間で0.3~3%程度ですので、それほど心配する必要はありませんが、発症した場合は急を要しますので、すぐに救急外来に受診してください。
もし手術をしないで経過観察する場合は、主治医とよく相談して、こうしたリスクを理解しておくことが大切です。

2023.01.01
鼠径ヘルニアの日帰り手術
鼠径ヘルニア(脱腸)の腹腔鏡手術を日帰りで! 鼠径(そけい)ヘルニアの治療は、日本では98.7%が入院手術(日帰り手術はたったの1.3%)で、入院期間は平均4.8日です。 一方、欧米各国では既に日帰り手術が普及していて、20~92%は日帰り手術です。 日帰り手術なら日常生活を続けたまま手術が受...