虫垂炎(盲腸)の治療は、手術か?それとも抗菌薬で散らすか?
虫垂炎で手術をしない場合は、抗菌薬で散らすこともあります。
外科医の院長松下が、抗菌薬で散らした場合のリスクについて説明します。
虫垂炎(盲腸)を手術するか?抗菌薬で散らすか?
病状によりますが、虫垂炎(盲腸)の治療は迅速な手術が推奨されています。
手術で虫垂を切除して治します。
しかし、虫垂が穿孔していなければ、抗菌薬で散らすことで90%が治せます。
緊急手術をしない場合は、3つのリスクがあるので、そのことをよく理解し注意することが必要です。
虫垂炎(盲腸)の手術をしない場合の3つのリスク
悪化するリスク
入院し絶食で抗菌薬を投与しても、悪化して手術となる可能性は約10%です。
糞石がつまっていると穿孔しやすいため、迅速な手術が勧められます。
再発のリスク
治癒し退院した後に再発する可能性は、退院後5年以内に約40%です。
平均すると初回の発症から4-7ヶ月で再発し手術になったという報告もあります。
若い人に多い病気ですので、いつ再発するかもしれないことが問題で、試験などの大切なイベント、大切な仕事、海外渡航中などのタイミングで発症するリスクがあります。
腫瘍のリスク
虫垂炎の原因の約1%が、腫瘍による閉塞です。
40歳以上では腫瘍が潜んでいるリスクが高くなるので、大腸内視鏡検査とCT検査をお勧めします。
虫垂炎(盲腸)を抗菌薬で散らした後は、どうしたらいいですか?
上記のリスクをよく理解した上で、次回再発した時に手術するのも選択肢です。
または、待機的に日帰り手術で治すことも選択肢となります。
2023.01.01
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