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鼠径ヘルニアの院長コラム

鼠径ヘルニア(脱腸)手術で使うプログリップメッシュとは?

鼠径ヘルニア(脱腸)の手術では、メッシュを使って穴を塞ぎます。

メッシュは様々な種類がありますが、当院ではプログリップメッシュを使っています。
ヘルニア外科医の院長松下が、メッシュについて詳しく解説します。

鼠径ヘルニア(脱腸)手術で使うプログリップメッシュとは?

当院では鼠径ヘルニア(脱腸)手術で、主にプログリップメッシュ(シート型、15cm✕10cm)を使っています。

鼠径ヘルニアの手術では、あいてしまったヘルニアの穴を塞ぐ必要があります。
昔は糸で縫って穴を塞いでいましたが、現在は穴を塞ぐためにメッシュが使われています。

写真にあるメッシュは、実際に使っているプログリップメッシュです。
現在市販されている鼠径ヘルニア用のメッシュの中で、最も優れていると私は評価しています。

体内に留置するものだからこそ、最良のメッシュを使いたいと考えています。

鼠径ヘルニア(脱腸)手術で使うプログリップメッシュのメリットは?

  • タッカーという固定具を使う必要がないので、疼痛を緩和できる
  • 面で固定するためメッシュがズレにくく、再発を防げる
  • 半吸収性のライトウェイト(軽量)メッシュなので、体内異物量を軽減できる

タッカーとはネジのような固定具で、メッシュがズレないように、腹壁に固定するために使われます。
点で固定するので、固定が不十分となり、メッシュがズレてしまうことがあります。
重要な血管や神経がある場所にはタッカーを使えないので、固定できない部分が生じます。
タッカーを腹壁に刺すので、術後の痛みのリスクが増加します。

これを解決してくれたのが、プログリップメッシュです。

プログリップメッシュにはマイクログリップというマジックテープのようなザラザラした突起がついています。
マイクログリップはメッシュ表面に約5,000個以上あり、メッシュを面で固定して、メッシュのズレを防止します。
マイクログリップは、時間とともに吸収され、最終的にはメッシュだけが残ります。

ライトウェイト(軽量)メッシュなので、異物量が少ないのも利点です。

鼠径ヘルニア(脱腸)手術で使うプログリップメッシュのデメリットは?

  • 価格が高い
  • メッシュの挿入や展開が難しい

特殊加工がされているため、他の一般的なメッシュよりも、高価なのが欠点です。
高価なメッシュですが、保険診療では患者さんの費用負担は変わらないので、その分のコストは病院が負担します。

プログリップメッシュは10mm以上のポートから挿入することが推奨されているため、傷が大きくなり、痛みが強くなってしまいます。
それを克服するため、5mmの傷からプログリップメッシュを体内に入れる方法を独自に開発しました。

メッシュについているマイクログリップは体内の組織にくっつくので、メッシュを広げるには技術が必要です。
当初はメッシュ展開に手こずることもありましたが、工夫を重ねることで、容易に展開できるようになりました。

鼠径ヘルニア(脱腸)手術で使うプログリップメッシュのサイズ

当院では15cm×10cmのメッシュで腹壁を補強することを基本としています。

国際的なガイドラインにおいても、ヘルニアの再発を防ぐために、大きいサイズのメッシュを使うことが推奨されています。
ただし、体格やヘルニアの穴の形や大きさは、人それぞれですので、必要に応じてメッシュをトリミングしています。

このサイズのメッシュでも補強が不十分な場合に備えて、更に大きなプログリップメッシュも準備しています。

鼠径ヘルニア(脱腸)手術で使うプログリップメッシュの素材は?

プログリップメッシュはポリエステルが用いられています

一般的にメッシュは、ポリエステルかポリプロピレンなどの合成樹脂が使われます。
どちらも生体に害はなく、そのまま体内に残り、穴を塞いでくれます。

稀ですが、メッシュ感染や慢性疼痛などのために、メッシュを除去する必要があることもあります。

鼠径ヘルニア(脱腸)の治療は受診して相談を!

大宮駅から徒歩3分にある埼玉外科クリニックでは、鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡による日帰り手術を行っています。
当院は最難関の内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)の資格を持ったヘルニア外科医による腹腔鏡手術が受けられる、日本でも数少ない日帰りクリニックです。
ヘルニア外科医の院長松下が、全ての患者さんを診察し、全ての手術を自らが執刀します。
鼠径ヘルニア(脱腸)でお悩みの方は、まずは当院のヘルニア外来に受診してご相談ください。

院長 松下公治

院長 松下公治

この記事は埼玉外科クリニック院長松下が執筆。腹腔鏡による鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門に研究。外科専門医、消化器外科専門医・指導医、内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)。

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