
手術前の絶飲食はなぜ必要ですか?

手術前の「絶食・絶飲」の指示は、患者さんの命を守るためにとても重要です。手術前の絶飲食の理由をヘルニア外科医が説明します。
コンテンツ
麻酔中に何が起きているのか?
鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術(お腹に小さな穴を開けて行う手術)は、全身麻酔で行います。
全身麻酔がかかると、体には大きな変化が起きます。
・意識がなくなる
・のどの反射(嘔吐反射・嚥下反射)がなくなる
・気道を守る筋肉の働きがなくなる
通常、私たちは食べ物や飲み物が気管に入りかけると、反射的にむせたり咳をしたりして肺を守ります。
しかし麻酔中はこの防御機能がなくなります。
当院麻酔の基本方針 当院の鼠径ヘルニア日帰り手術は、全身麻酔+神経ブロック+浸潤麻酔の3つを併用しています。 この3つを組み合わせる理由は、それぞれの長所を活かし、短所を補い合えるからです。 通常は1つもしくは2つの組み合わせが多い中、当院では3つを組み合わせることで、より高い鎮痛効果と安全性...
最も怖い合併症「誤嚥性肺炎」
胃の中に食べ物や液体が残った状態で麻酔をかけると、胃の内容物が食道へ逆流し、気管・肺へ流れ込む(誤嚥する) ことがあります。
これが誤嚥性肺炎です。
胃酸は非常に強い酸性です。
これが肺に入ると、肺組織が激しく炎症を起こし、重篤な肺炎・呼吸不全に至ることがあります。
かつてはこの合併症で亡くなる患者さんが少なくありませんでした。
麻酔科医が最も警戒するリスクのひとつです。
絶飲食は、この命に関わる合併症を防ぐための、最もシンプルで確実な予防策なのです。
術前絶飲食の具体的な目安
現在、日本麻酔科学会のガイドラインでは、以下の絶飲食時間が推奨されています。
清澄水(水・お茶など)は2時間以上です。
固形食の摂取はエビデンスが不十分なため、明確な絶食時間を示しておらず、欧米のガイドラインでは8時間以上と定めています。
ポイントは「水やお茶は、手術2時間前までなら飲んでよい」という点です。
以前は「当日は水も一滴もダメ」という指導が一般的でしたが、現在は適切な水分補給が術後回復によいと考えられており、水・お茶は許可されるケースが多くなっています。
ただし、牛乳・果汁・アルコール・コーヒーなどは固形物に準じた扱いになるため注意が必要です。
具体的な指示は、手術を受ける施設において、医師・スタッフの指示に従ってください。
当院では原則として前日夜11時まで摂食可能、当日朝7時半まで飲水可能(水、お茶のみ)としています。
日本麻酔科学会のガイドライン(外部サイト)
「少しくらいならいいか」が命取りになる
「ガムひとつくらい大丈夫では?」「飴をなめただけなのに…」という話は、実際の医療現場でも少なくありません。
しかし、砂糖入りのガムや飴でも胃酸分泌が促進され、胃の内容量に影響します。
また「直前に少しだけ食べた」という事実を言いそびれてしまうケースも危険です。
万が一、絶食指示を守れなかった場合は、必ず手術前に申し出てください。
隠してしまうことが最も危険です。
日帰り手術だからこそ、準備が大切
当院では鼠径ヘルニアの日帰り手術を行っています。
「入院しないなら大きな手術じゃないし、そこまで厳密でなくてもいいのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、日帰り手術であっても全身麻酔のリスクは変わりません。
むしろ日帰りだからこそ、術前の準備を患者さん自身にしっかり行っていただくことが手術の成功と術後の回復を左右します。
当院では術前に丁寧な説明を行い、安心して手術に臨んでいただけるよう努めています。
まとめ
・術前絶飲食は「誤嚥性肺炎」という命に関わる合併症を防ぐために必須です。
・固形食は8時間以上前まで、清澄水は2時間前までが現在の標準的な目安です。
・「少しくらい大丈夫」は禁物。守れなかった場合は必ず申し出てください。
・日帰り手術だからこそ、術前準備は重要です。
よくある質問(FAQ)
Q:手術の前日、夜ご飯は食べてもいいですか?
A:はい、当院では前日の夜11時まで食事が可能です。ただし、消化に時間がかかる脂っこいものや肉類の大量摂取は避け、腹八分目を心がけてください。
Q:手術当日の朝、水は飲んでもいいですか?
A:はい、当院では水とお茶に限り、当日の朝7時半まで飲んでもいいです。適切な水分補給は術後の回復によい影響があるため、当日朝にコップ1杯の水を飲んでくるようにお話ししています。
Q:薬を飲んでいる場合、手術当日の朝も服用していいですか?
A:薬の種類によって対応が異なります。必ず術前診察の際に服用中の薬をすべて伝えてください。ご自身で判断して服用・中止することは危険ですので、必ず医師の指示に従ってください。
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鼠径ヘルニア(脱腸)の治療は当院に相談を!
大宮駅から徒歩3分にある埼玉外科クリニックでは、腹腔鏡による鼠径ヘルニアの日帰り手術を行っています。
当院は最難関の内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)の資格を持ったヘルニア外科医による腹腔鏡手術が受けられる、日本でも数少ない外科クリニックです。
ヘルニア外科医の院長松下が、責任持って手術を行います。
鼠径ヘルニア(脱腸)でお悩みの方は、まずは当院のヘルニア外来に受診してご相談ください。
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