
日本における鼠径ヘルニア(脱腸)日帰り手術の動向について教えて下さい。

日本では、鼠径ヘルニアの日帰り手術はまだ少数派ですが、少しずつ増えてきています。海外の動向も含めてヘルニア外科医が詳しくお話しします。
日本における鼠径ヘルニア(脱腸)日帰り手術について
鼠径ヘルニア(脱腸)は、鼠径部(足の付け根)が膨らむ病気です。
日本では年間約14万件以上の手術が行われており、外科で最も多い手術のひとつです。
近年、医療技術の進歩や患者さんのニーズの変化に伴い、従来の入院手術に代わる治療法として、日帰り手術が注目を集めています。
日帰り手術は、手術当日に帰宅できるため、仕事や家庭など生活への影響を最小限に抑えられます。
また、入院にかかる費用が不要なため、医療費の削減にもつながります。
鼠径ヘルニアの日帰り手術の普及は、患者さんの利便性向上と医療経済の効率化の両方に貢献する可能性があります。
医師不足や医療費の増大など、多くの課題に直面する日本の医療のあり方を考えるうえで、日帰り手術は一つの解決策になると考えています。
鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術とは?日帰り手術とは、手術したその日に帰宅できる手術のことです。 日常生活を続けたまま手術を受けられることが大きなメリットで、費用対効果も優れています。ほとんどの鼠径ヘルニアは、日帰り手術で治すことができます。しかし、日本では、鼠径ヘルニ...
日本における鼠径ヘルニア(脱腸)日帰り手術の普及と動向
海外の多くの先進国では、鼠径ヘルニアの日帰り手術は広く普及しています。
欧米では、鼠径ヘルニア手術のうち20〜92%が日帰りで行われています。
一方、日本における日帰り手術の割合は、2024年の時点でわずか8.8%に過ぎません。
国によって差はあるものの、日本の普及はかなり遅れているのが現状です。
日本の鼠径ヘルニア手術の平均入院期間は約4日です。
当院の日帰り手術では、在院時間は平均約4時間です。
同じ病気の治療でも、選ぶ施設によって生活への影響は大きく変わります。
ただし、ここ数年で状況は少しずつ変わってきています。
日本でも日帰り手術を行う施設が増え、入院手術では主流となっている腹腔鏡手術を、日帰りで受けられる施設も増えてきました。
適切な医療体制が整えば、鼠径ヘルニアの日帰り手術は、日本でも欧米並みに普及していくと思われます。
なぜ日本では日帰り手術が広まりにくかったのか?
日本で日帰り手術の普及が遅れた背景には、いくつかの理由があると考えられます。
- 「手術=入院するもの」という考え方が、患者さんにも医療者にも根強い
- 入院費用の自己負担が海外に比べて少なく、入院を避ける動機が弱い
- 日帰り手術に適した麻酔管理や術後のフォロー体制を整えるのに手間がかかる
- これまで日帰り手術を専門とする施設が少なく、選択肢自体が限られていた
海外では、医療費が高額なことなどから、早くから日帰り手術が標準的な治療として定着してきました。
日本では医療制度や文化の違いもあり、入院手術が当たり前の時代が長く続いてきたのです。
日本の病院および鼠径ヘルニア(脱腸)専門クリニックにおける現状
日本国内では、鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門とするクリニックが増加傾向にあります。
専門クリニックでは、日帰り手術に特化した体制を整え、経験豊富な医師やスタッフによる質の高い医療を提供しています。
日帰り手術のメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
- 入院の手間がない
- 仕事や日常生活に早く復帰できる
- 身体的・精神的な負担が少ない
- 手術までの待機期間が短い
- 院内感染のリスクが低い
- 患者満足度が高い
- 医療費が抑えられる
一方で、日帰り手術では、帰宅後の過ごし方を患者さんご自身やご家族に管理していただく必要があります。
そのため、手術前後の丁寧な説明やサポート体制、緊急時の連絡体制などが重要です。
適切な患者選択、手術方法、術後管理を行うことによって、日帰り手術でも安全に治療することができます。
鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術の利点と欠点は?日帰り手術のメリット自宅で療養できるため、自宅での日常生活をそのまま続けられる。 入院期間が短いため、仕事や日常生活への復帰が早い。 病院に滞在する時間が短かく、人との接触機会が少なく、院内感染のリスクが...
鼠径ヘルニア(脱腸)日帰り手術を行う施設一覧
鼠径ヘルニアの日帰り手術を行っている施設を、ホームページ等で確認してリストアップしました。
詳細は各施設の情報をよく確認してください。
【北海道】みやざき外科・ヘルニアクリニック
【山形県】しんばしクリニック
【宮城県】むらた日帰り外科手術クリニック、北仙台はせがわクリニック
【茨城県】太田医院牛久院、かねこ消化器内視鏡肛門外科クリニック
【千葉県】太田医院柏院、Kenクリニック
【埼玉県】埼玉外科クリニック(当院)、大宮セントラルクリニック
【東京都】東京外科クリニック、ALOHA外科クリニック、東京デイサージェリークリニック、執行クリニック、新宿外科クリニック、調布駅前そけいヘルニアクリニック、新橋DAYクリニック
【神奈川県】神奈川そけいヘルニア日帰り手術クリニック、横浜みなと外科クリニック、横浜青葉そけいヘルニア・外科クリニック、湘南台ふかさわクリニック
【愛知県】いまず外科、かんやまクリニック
【滋賀県】滋賀大津そけいヘルニア外科クリニック
【京都府】王子クリニック、Gi外科クリニック京都院
【大阪府】なんば坂本外科クリニック、大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック、大阪アルプスクリニック、多根総合病院
【和歌山県】楽クリニック
【兵庫県】Gi外科クリニック阪神院、神戸日帰り外科そけいヘルニアかずクリニック
【岡山県】Gi外科クリニック岡山院
【広島県】広島アルプスクリニック
【香川県】たけうち日帰り外科
【福岡県】おだクリニック日帰り手術外科、ひろつおなかクリニック、まつむら日帰り外科クリニック
日帰り手術を受ける施設を選ぶポイントは?
日帰り手術を行う施設が増えてきた今、どこで手術を受けるかは大切な選択です。
施設を選ぶ際には、次のような点を確認することをお勧めします。
- どのような手術方法(腹腔鏡手術・鼠径部切開法)を行っているか
- 麻酔を誰が担当しているか(麻酔科専門医が担当しているか)
- 術後に困ったとき、夜間や休日でも連絡がとれるか
- 日帰りが難しい場合に、入院手術を勧めたり紹介したりしてくれるか
特に最後の点は重要です。
すべての患者さんに日帰り手術が適しているわけではありません。
日帰り手術のリスクが高い方には、あえて入院手術を勧める判断ができる施設こそ、信頼できる施設だと考えています。
当院の体制について
上記のポイントについて、当院の体制は次の通りです。
- 手術方法:主に腹腔鏡手術を行っています
- 麻酔:麻酔科専門医が担当しています
- 術後の連絡:24時間いつでも連絡が可能です
- 入院適応の判断:日帰りが難しい場合は、入院手術をお勧めします
当院は日帰り手術を専門とするクリニックですが、日帰り手術を無理に勧めることはありません。
「日帰りでできるか」ではなく、「日帰りで行うべきか」を患者さん一人ひとりについて判断しています。
日帰り手術を安全に行うための3つの対策 手術は体に負担を伴う医療行為であり、一定のリスクがあります。 だからこそ、少しでもそのリスクを減らし、安全に手術を行うことが最も重要だと考えています。当院では、日帰り手術を安全に行うために、3つの対策を徹底しています。的確に手術...
当院が考える「患者さん第一」とは? 当院では「患者さん第一」の診療を原則としています。ここで言う「第一」とは、患者さんの利益を最優先にするという意味です。 それは時に、患者さんのご希望や満足度よりも優先されます。当院には、日帰り手術を希望して来院される方が多くいらっし...
鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術について今後の展望は?
日本における鼠径ヘルニアの日帰り手術は、一部の専門施設を中心に安全に実施されており、患者満足度も高い傾向です。
しかし、全体としての普及率は、海外と比較して依然として低い水準です。
診療ガイドラインにおいても日帰り手術は推奨されており、今後はより多くの医療機関で、日帰り手術が選択肢として提供されることが期待されます。
高齢化が進む日本において、患者さんのQOL(生活の質)の向上と医療費の抑制の両面から、日帰り手術の重要性はますます高まっていくでしょう。
当院も、日帰り手術を専門とするクリニックとして、安全で質の高い日帰り手術の普及に貢献していきたいと考えています。
高齢化が進む日本において、患者さんのQOL向上と医療費抑制の両面から、日帰り手術の重要性が注目されています。
まとめ
- 日本の鼠径ヘルニア手術のうち、日帰り手術は8.8%(2024年時点)にとどまり、欧米と比べて普及が遅れています。
- 背景には「手術=入院」という考え方や、医療制度の違い、体制づくりの難しさがあります。
- 近年は日帰り手術専門のクリニックが増え、腹腔鏡手術を日帰りで受けられる施設も増えています。
- 施設を選ぶ際は、手術方法、麻酔体制、術後の連絡体制、入院適応の判断をよく確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q:海外では鼠径ヘルニアの手術は日帰りが一般的なのですか?
A:はい、欧米の多くの国では日帰り手術が広く行われています。国によって差はありますが、鼠径ヘルニア手術の20〜92%が日帰りで行われています。日本の8.8%と比べると、大きな差があります。
Q:日帰り手術は、入院手術に比べて治療成績が劣りませんか?
A:日帰り手術に適した患者さんを適切に選び、十分な体制で手術を行えば、入院手術と比べて治療成績が劣ることはないと考えられています。大切なのは、手術を行う施設の体制と、患者さん一人ひとりに合った手術方法を選ぶことです。
Q:誰でも日帰り手術を受けることができますか?
A:すべての方が日帰り手術に適しているわけではありません。重い持病がある方、高齢の方、術後にご家族のサポートが得られない方などは、入院手術を検討します。当院では、80歳以上の方、妊娠中の方、人工透析中の方、心臓ペースメーカーを使用されている方は、原則として入院適応としています。
鼠径ヘルニア(脱腸)の治療は当院に相談を!
大宮駅から徒歩3分にある埼玉外科クリニックでは、腹腔鏡による鼠径ヘルニアの日帰り手術を行っています。
当院は最難関の内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)の資格を持ったヘルニア外科医による腹腔鏡手術が受けられる、日本でも数少ない外科クリニックです。
ヘルニア外科医の院長松下が、責任を持って手術を行います。
鼠径ヘルニア(脱腸)でお悩みの方は、まずは当院のヘルニア外来に受診してご相談ください。

電車でお越しの方
JR大宮駅西口より徒歩3分
車でお越しの方
当ビル1階入口に駐車場(1台、無料)
満車時はコインパーキング(有料)をご利用ください
埼玉外科クリニック鼠径ヘルニア日帰り手術センター
〒330-0854
埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-268エイコービル3階
048-650-2555(鼠径ヘルニア専門外来の予約専用)
診療時間:9:00〜17:30【完全予約制】
定休日:日曜・祝日
受付開始 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
午前 8:50〜 | 手術 | 手術 | 手術 | 手術 | 手術 | 手術 | 休 |
午後 13:45〜 | 外来 | 外来 | 外来 | 外来 | 外来 | 外来 | 休 |















