鼠径ヘルニアと診断されたら、次に考えるのは「手術を受けるかどうか」「いつ、どこで、どの方法で受けるか」です。
このページでは、治療を決めるために知っておきたい情報をまとめました。
手術を受けるべき?放置するとどうなる?
大人の鼠径ヘルニアは自然に治らず、治す方法は手術だけです。
筋トレやヘルニアバンドでは治りません。
放置すると、次の2つの危険性があります。
- 膨らみや症状が少しずつ悪化し、大きくなってからの手術は難易度が上がることがある
- 腸が締めつけられて戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」が、1年間に0.3〜3%程度の頻度で起こる
嵌頓が起こると緊急手術が必要になり、予定手術に比べて危険性が大きく高まります。
鼠径ヘルニア(脱腸)は自然に治りますか? 鼠径ヘルニア(脱腸)は、お腹の壁の弱い部分から、腸や脂肪などが飛び出してくる病気です。 足のつけ根(鼠径部)が膨らみ、立つと出てきて、横になると引っ込むのが特徴です。大人の鼠径ヘルニアは、自然に治ることはありません。タイヤのパ...
鼠径ヘルニア(脱腸)のお悩み、ひとりで抱えていませんか? 「足のつけ根がふくらんでいるけど、痛くないから放っておいている」 「恥ずかしくて誰にも相談できない」 「手術って怖い、入院が必要なのでは?」そんな声をよく聞きます。その足の付け根のふくらみ、放っておかないで!...
鼠径ヘルニアの手術方法
鼠径ヘルニアの手術は、飛び出した腸をお腹の中に戻し、穴をメッシュで塞いで補強します。
手術方法は、大きく腹腔鏡手術と鼠径部切開法の2つに分けられます。
| 腹腔鏡手術 | 鼠径部切開法 | |
| 傷 | 5mmの穴が3か所 | 約3〜5cm |
| 術後の痛み | 軽い | やや強い |
| 社会復帰 | 早い | やや時間がかかる |
| 麻酔 | 全身麻酔 | 局所麻酔・脊椎麻酔なども可能 |
腹腔鏡手術にはTAPP法とTEP法があり、日本と国際的なガイドラインのいずれでも推奨されています。
一方、全身麻酔ができない方、巨大なヘルニア、下腹部の手術を受けたことがある方などでは、鼠径部切開法(リヒテンシュタイン法)が勧められます。
当院の方針
当院では、全身麻酔によるTAPP法の腹腔鏡手術を行っています。
⇒ 実際の手術動画はこちら(YouTube)
前立腺の手術後など腹腔鏡手術が適さない場合や、全身麻酔が難しい場合は、その理由をご説明し、適した医療機関をご紹介します。
鼠径ヘルニア(脱腸)の治療は? 鼠径ヘルニア(脱腸)の治療は、手術が唯一の方法です。手術方法は腹腔鏡を使う方法や鼠径部を切開する方法などがあります。 日本ではまだ入院手術が多いものの、日帰り手術も徐々に増えてきています。鼠径ヘルニア(脱腸)は手術をしなくても治せますか...
当院が目指す負担の少ない鼠径ヘルニア(脱腸)手術とは? 当院が目指す鼠径ヘルニア(脱腸)手術の目標は、身体的にも精神的にも負担が少なく、確実に治して、できるだけ早く普段の生活に戻れるようにすることです。 そこに少しでも近づけるため、日々カイゼンを重ねています。手術は多くの危険...
日帰り手術か、入院手術か

日本では鼠径ヘルニア手術の約9割が入院で行われ、入院期間は平均4.0日です。
日帰り手術は8.8%にとどまります。
一方、欧米では日帰り手術が広く普及しており、国内外のガイドラインでも、適切なアフターケアがあればほとんどの患者さんに日帰り手術が推奨されています。
日帰り手術は、自宅で普段の生活を続けながら治療できるのが利点です。
当院の日帰り手術では、来院から帰宅まで約4時間です。
ただし、すべての方に日帰り手術が適しているわけではありません。
当院では、次の3つの対策で安全性を確保しています。
- 病状や持病、ご家族のサポートなどから、日帰り手術が適しているかを的確に判断する
- 院長が全例を執刀し、麻酔科専門医が全身麻酔を管理する
- 万が一に備えた設備と、術後24時間の電話対応を整える
80歳以上の方、妊娠中の方、人工透析中の方、心臓ペースメーカーを使用中の方は、原則として入院手術の対象です。
入院手術の方が望ましいと判断した場合は、入院設備のある医療機関をご紹介します。
鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術の利点と欠点は?日帰り手術のメリット自宅で療養できるため、自宅での日常生活をそのまま続けられる。 入院期間が短いため、仕事や日常生活への復帰が早い。 病院に滞在する時間が短かく、人との接触機会が少なく、院内感染のリスクが...
日本における鼠径ヘルニア(脱腸)日帰り手術について 鼠径ヘルニア(脱腸)は、鼠径部(足の付け根)が膨らむ病気です。 日本では年間約14万件以上の手術が行われており、外科で最も多い手術のひとつです。近年、医療技術の進歩や患者さんのニーズの変化に伴い、従来の入院手術に代わる治療法...
日帰り手術を安全に行うための3つの対策 手術は体に負担を伴う医療行為であり、一定のリスクがあります。 だからこそ、少しでもそのリスクを減らし、安全に手術を行うことが最も重要だと考えています。当院では、日帰り手術を安全に行うために、3つの対策を徹底しています。的確に手術...
手術の危険性:合併症と再発
どんな手術にも、一定の合併症のリスクがあります。
鼠径ヘルニア手術の主な合併症は、出血・血腫、傷の感染、漿液腫(もとのヘルニアの袋に水がたまる状態)、痛みやしびれ、再発などです。
漿液腫は約10%に起こりますが、多くは1〜3か月で自然に吸収されます。
メッシュを使う現在の手術の再発率は、どの術式でも約1〜3%です。
再発の主な原因は、メッシュのずれや、メッシュで覆われていない部分からの脱出です。
当院では、メッシュを広く敷くことで再発を防いでいます。
鼠径ヘルニア(脱腸)手術の合併症リスクは? どのような手術においても、ある程度の危険性(合併症リスク)があります。 全ての医療行為には、絶対治る、絶対安全ということはなく、リスクを0%にすることはできません。 手術という大きな侵襲を伴う治療では、合併症リスクは避けて通れません。 ...
鼠径ヘルニア(脱腸)の再発とは? 鼠径ヘルニア(脱腸)の再発とは、手術した同側に鼠径ヘルニアが再び発症することです。 対側の鼠径ヘルニアが発症した場合は、初発であり、再発とは言いません。鼠径ヘルニア(脱腸)手術後に再発することはありますか? 鼠径ヘルニア手術後に、鼠径ヘルニ...
穴を塞ぐメッシュの選び方
当院では主に、ずれにくいプログリップメッシュと、立体的な形状の3D maxメッシュを使用しています。
一人ひとりの穴の状態や体格に合わせて、最適なメッシュを選択しています。
鼠径ヘルニア(脱腸)手術で使うプログリップメッシュとは? 当院では鼠径ヘルニア(脱腸)手術で、主にプログリップメッシュと3D Maxメッシュを使用しています。鼠径ヘルニアの手術では、あいてしまったヘルニアの穴を塞ぐ必要があります。 昔は糸で縫って穴を塞いでいましたが、現在は穴...
鼠径ヘルニア(脱腸)手術で使う3D Maxメッシュとは? 当院では鼠径ヘルニア(脱腸)手術で、主に3D Maxメッシュとプログリップメッシュを使っています。鼠径ヘルニアの手術では、あいてしまったヘルニアの穴を塞ぐ必要があります。 昔は糸で縫って穴を塞いでいましたが、現在は穴を...
こんな場合でも手術できる?
両側に鼠径ヘルニアがある場合
両側の鼠径ヘルニアは5〜10%程度にみられます。
腹腔鏡手術なら、同じ傷から両側を同時に手術できます。
両側鼠径ヘルニア(脱腸)とは? 両側鼠径ヘルニアとは、左右両側で鼠径ヘルニアが発症していることをいいます。実際には全く同時に発症するわけではありません。 片方の経過をみていたら対側も発症することや、同じタイミングで気づくことがあります。両側鼠径ヘルニア(脱腸)の確率は...
血液サラサラの薬を飲んでいる場合
抗血小板薬や抗凝固薬を飲んでいても、多くの場合は日帰り手術を受けることができます。
病状をよく検討したうえで、通常は薬を続けたまま手術を行っています。
血液サラサラの薬とは?抗血小板薬と抗凝固薬の違い 「血液サラサラの薬」と一口に言っても、仕組みが異なる2種類の薬があります。 まず大事なのは、どちらの種類の薬を飲んでいるかを把握しておくことです。抗血小板薬と抗凝固薬は、まとめて抗血栓薬と呼ばれます。 本記事でもこの後、両方...
鼠径ヘルニアの手術費用
腹腔鏡による鼠径ヘルニアの日帰り手術は保険診療です。
当院の自己負担は3割負担で約11万円で、同じ手術を入院で受けた場合(約14〜15万円)より抑えられます。
高額療養費制度を利用すると、自己負担をさらに軽減できる場合があります。
鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術費用はいくらですか?当院では、保険診療で腹腔鏡による鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術を行っており、3割負担で約11万円の自己負担です。入院で同じ手術をすると、3割負担で約14〜15万円の自己負担です。 日帰り手術では入院費用がかからないた...
医師・医療機関の選び方
鼠径ヘルニアの手術で大切なのは、「どの病院か」よりも「誰が手術を行うか」です。
医師を選ぶときは、次の3つが目安になります。
- 鼠径ヘルニアの手術経験と実績(年間手術件数、専門資格など)
- 人柄と安心して相談できるコミュニケーション
- 学会発表や論文など、継続的な学びと専門性の追求
鼠径ヘルニアの専門性を示す資格には、日本内視鏡外科学会の「内視鏡外科技術認定医」などがあります。
鼠径ヘルニア(脱腸)手術の名医とは? 一般に「名医」とは、専門的な知識と高い医療技術、豊富な経験を備え、多くの患者さんから信頼され、高い評価を受けている医師を指します。しかし、誰が名医であるかは最終的には患者さんそれぞれの価値観によって異なります。 「本当の名医は誰か?」とい...
鼠径ヘルニア専門医の資格とは? 鼠径ヘルニアには専門医の資格があります。 日本ヘルニア学会が認定する鼠径部ヘルニア修得医という資格で、鼠径部ヘルニア診療に関する一定の知識と手術経験を持つことを認定する資格です。この認定制度は、鼠径部ヘルニアの診療レベル向上を目的として、202...
手術を受けると決めたら
手術の流れ、手術前の準備、手術後の過ごし方は、「鼠径ヘルニア手術前後の過ごし方」にまとめています。
手術を受けると決めた方に向けて、手術日までの準備から、手術当日、術後の回復までをまとめました。手術前の確認や、術後に困ったときの参考にしてください。 日帰り手術の流れ:2〜3回の受診で治療が完結 当院の鼠径ヘルニア日帰り手術は、2〜3回の受診で治療が完結します。受診 所要時間 ...
症状や診断について知りたい方は、こちらをご覧ください。
鼠径ヘルニア(脱腸)とは?鼠径ヘルニアは、足の付け根(鼠径部)にある腹壁のすき間から、お腹の中の腸や脂肪が皮膚の下に飛び出してしまう病気です。 一般には「脱腸」と呼ばれ、中高年の男性に多く見られます。 大人の鼠径ヘルニアは自然に治ることはありません。鼠径部はどこ? 鼠径...
鼠径ヘルニア(脱腸)の治療は当院に相談を!
大宮駅から徒歩3分にある埼玉外科クリニックでは、腹腔鏡による鼠径ヘルニアの日帰り手術を行っています。
当院は最難関の内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)の資格を持ったヘルニア外科医による腹腔鏡手術が受けられる、日本でも数少ない外科クリニックです。
ヘルニア外科医の院長松下が、責任持って手術を行います。
鼠径ヘルニア(脱腸)でお悩みの方は、まずは当院のヘルニア外来に受診してご相談ください。
電車でお越しの方
JR大宮駅西口より徒歩3分
車でお越しの方
当ビル1階入口に駐車場(1台、無料)
満車時はコインパーキング(有料)をご利用ください
埼玉外科クリニック鼠径ヘルニア日帰り手術センター
〒330-0854
埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-268エイコービル3階
048-650-2555(鼠径ヘルニア専門外来の予約専用)
診療時間:9:00〜17:30【完全予約制】
定休日:日曜・祝日
受付開始 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
午前 8:50〜 | 手術 | 手術 | 手術 | 手術 | 手術 | 手術 | 休 |
午後 13:45〜 | 外来 | 外来 | 外来 | 外来 | 外来 | 外来 | 休 |











