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虫垂炎の院長コラム

急性虫垂炎(盲腸)の治療法|手術か抗菌薬か?メリットと注意点

患者さん

急性虫垂炎(盲腸)の治療は手術ですか?それとも抗菌薬で散らしますか?


院長松下

急性虫垂炎の治療は、主に手術と抗菌薬による治療があります。外科医がそれぞれのメリットと注意点について詳しく解説します。

急性虫垂炎(盲腸)とは?

急性虫垂炎は、いわゆる「盲腸」と呼ばれる病気で、お腹の右下にある虫垂に炎症が起こる疾患です。

主な症状として、お腹の痛み(みぞおちから右下腹部へ移動することが多い)、吐き気、嘔吐、食欲低下、発熱などがみられます。
急性虫垂炎は、腹痛の中でも緊急対応が必要になりうる代表的な病気ですので、早期に適切な判断が大切です。

急性虫垂炎(盲腸)の治療法、手術か?抗菌薬か?

急性虫垂炎(盲腸)の治療は、主に2つの方法があります。

手術(虫垂切除術)
抗菌薬による保存的治療(いわゆる薬で散らす治療)

病状によりますが、急性虫垂炎(盲腸)の治療は迅速な手術が推奨されています。
手術で虫垂を切除することで、確実に治すことができます。
穿孔・膿瘍形成した場合や、強い腹膜刺激症状がある場合、症状が急速に悪化している場合などは、迅速に手術することが検討されます。

しかし、虫垂が穿孔していなければ、抗菌薬で散らすことで90%が治せます
軽症の虫垂炎や、一時的に手術を避けたい場合、手術リスクが高い高齢者で手術が躊躇される場合は、抗菌薬治療を選択することがあります。

急性虫垂炎(盲腸)の手術治療(虫垂切除術)

現在、急性虫垂炎(盲腸)に対する治療の基本は手術です。
特に、痛みが強い場合、炎症が進行している場合、再発を繰り返している場合には、手術が勧められることが多くなります。

国際的なガイドラインでは、急性虫垂炎の手術は開腹手術よりも腹腔鏡手術を推奨しています。
腹腔鏡手術は、傷が小さい、術後の痛みが軽い、入院期間が短い、回復が早い、社会復帰が早い、生活の質(QOL)が高い、術後の癒着(腸閉塞)が少ない、傷の感染が少ないなどの利点があります。
一方で、直接病変を触れないことが欠点になります。

腹腔鏡による急性虫垂炎の手術方法を簡単に説明します。
まず、お腹に小さな穴を3カ所開けます。
その穴からカメラを入れて、お腹の中の様子をモニターで観察します。
虫垂を確認し、虫垂の根部(根元)を切って虫垂を摘出します。
手術時間は40分程度です。

急性虫垂炎における腹腔鏡手術と開腹手術の比較

腹腔鏡手術開腹手術
傷口5〜12mmの
穴が3ヶ所
数cmの
傷が1ヶ所
痛み軽い痛い
術後の癒着少ないやや多い
入院期間3〜7日間1週間前後

急性虫垂炎(盲腸)の抗菌薬治療(保存的治療)

比較的軽症の虫垂炎では、抗菌薬を使って炎症を抑える「保存的治療」が選択されることがあります。

抗菌薬治療のメリット
・手術を行わずに済む
・身体への負担が少ない
・一時的に症状が改善する可能性がある

抗菌薬治療の注意点・リスク
・炎症が悪化し、結果的に緊急手術が必要になることがある
・治癒した後に、再発する可能性がある
・虫垂の中に腫瘍などの病変が隠れている場合、見逃される可能性がある

そのため、「抗菌薬で治す」=「完全に治った」とは限らないという点を理解しておく必要があります。

よくある質問(FAQ)

Q:急性虫垂炎は必ず手術する必要がありますか?
A:軽症の場合、抗菌薬で改善することがあります。
しかし、再発や悪化のリスクなどもあるため、基本的には手術が勧められています。

当院は鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術を専門とする外科クリニックです。本ページは一般的な医療情報の提供を目的としています。当院では急性虫垂炎の診療を行っていませんので、お近くの医療機関でご相談ください。

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院長 松下公治

この記事は埼玉外科クリニック院長松下が執筆。腹腔鏡による鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門に研究。外科専門医、消化器外科専門医・指導医、内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)。

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